はじめに|なぜ今、企業に「パーパス(社会的存在価値)」が不可欠なのか?
近年、日本企業は「採用難」、「離職率の上昇」、「従業員エンゲージメントの低下」という三重苦に直面しています。
少子高齢化による労働人口の減少が進む中、優秀な人材の確保は年々困難になっています。特にBtoB企業では、業界知名度の低さや専門スキルを持つ人材の希少性が重なり、その影響はより深刻です。
こうした状況を打開するため、多くの企業は待遇の向上や求人の強化、人事制度改革などの施策を行ってきました。
求人広告の出稿増加、複数の転職エージェント活用、採用イベントの開催などは、一時的に応募数を増やす効果はあるでしょう。
しかし志望動機が浅い人材の応募が増えやすく、採用後の定着やエンゲージメント向上にはつながりにくいのが現実です。結果として、採用と離職を繰り返す「人材の出入りが激しい状態」が常態化しています。
待遇面での競争に頼れば、やがて「待遇向上インフレ」や「待遇向上チキンレース」となり、資本力のある大手企業や人気業界に優秀な人材を奪われてしまいます。
本記事では、私たちASAKOの独自研究の結果を交えながら、行き詰まりを打破するための根本的なアプローチとして「パーパスブランディング」を解説します。
最後までお読みいただければ、パーパスブランディングの意味や、進め方が理解できるはずです。
パーパスブランディングとは?|社会的存在価値で「指名される企業」になる戦略
パーパスブランディングとは、一言でいえば「社会的存在価値 × 感情移入」の掛け算によって、単なる比較ではなく“指名で選ばれる企業”を目指す取り組みです。
以下、「パーパス」「ブランディング」それぞれを紐解きながら「パーパスブランディングとは何か?」について解説していきます。
❶ パーパス(Purpose)の定義:社会から共鳴される存在価値
「パーパスとは何か?」――あらためてそう問われたとき、あなたは何と答えるでしょうか?
多くの場合、「存在意義」や「志」といった言葉で説明されます。しかし「パーパスとは企業の社会的な存在意義です」と言われても、現場で働く従業員や求職者は腹落ちするでしょうか?
「存在意義」という言葉には、どこか崇高で抽象的な響きがあります。そのため、「何やら重要そうだ」という印象は持てますが、一方で自分の仕事とのつながりをイメージできない人も多いのです。
同様に「志」という言葉も響きは良いですが、志だけで、ビジネスの成果につながるわけではありません。
どのようなビジネスも相手(顧客・社会)から評価されてこそ成果が生まれるように、パーパスもまた、社会や市場のニーズと結びつき、相手から選ばれる存在になるための「戦略」です。
パーパスを全社的な戦略として機能させるには、次の2つが重要です。
- 実用的でシンプルな定義
- ステークホルダーや社会にもたらす価値を明確にしていること
この視点から私たちは、パーパスを次のように定義しています。
◎ パーパスとは=社会から共鳴される存在価値
つまり、パーパスは「自分たちが何をしたいか」ではなく、「社会に対してどんな価値をもたらしたいか」を軸に言語化したものです。
❷ ブランディング(Branding)の定義:感情移入を促し「指名で選ばれる」取り組み
一方で「パーパスブランディング」のもう一つの要素である「ブランディング」とは、その企業や事業ならではの独自の意味や役割を築き、人々の感情移入を促すことで「指名で選ばれる存在」にしていく取り組みです。
◎ ブランディングとは=人々の感情移入を促すことで「指名で選ばれる存在」にしていくこと
❸ パーパスブランディングとは?
この2つを掛け合わせたものがパーパスブランディングです。定義すると次のようになります。
◎ パーパスブランディング=自社の社会的存在価値に対して感情移入を促すことで、指名で選ばれる存在にしていくこと
パーパスという「社会的存在価値」と、ブランディングという「感情移入」を組み合わせ、経営・組織・人材・マーケティングのすべてに横断的に作用させる。それがパーパスブランディングの本質です。
パーパスブランディングの目的|ビジネスと社会のゴールを一致させる
パーパスブランディングの最終的なゴールは、「ビジネス目的」と「社会目的」の一致です。
「この企業を選ぶことは、社会をより良く変えることと同じ」という構図を築くことで、社内外の人々から一貫した共鳴感情を得られるようになるのです。
ビジネス目的と社会目的を一致させる
パーパスブランディングの8つの効果とメリット
パーパスブランディングは、単なる理念やスローガンではありません。
それは経営・組織・人材・マーケティングといった企業活動のあらゆる領域に波及し、持続的な成果を生み出す戦略です。
「企業の存在価値(パーパス)」と「選ばれる理由(ブランディング)」を一貫して社内外に浸透させることで、次の4つの領域で好循環を生み出します。
- 採用
- 従業員エンゲージメント
- マーケティング
- 経営
以下、一つずつ解説していきましょう。
❶ 採用力の強化:待遇競争を超え、価値観で選ばれる採用戦略
現在、採用の成否を分けるカギは、「待遇の良さ」だけでなく「その企業の在り方に共感・共鳴できるかどうか」へと移りつつあります。
「給与水準や福利厚生を見直しても、応募が集まらない」「採用しても、すぐに辞退や離職が起きる」といった現象の背景には、働き手の“選び方”の変化があります。現代の優秀な働き手は、
- 何をやるか?(仕事内容)
- いくらもらえるか?(条件面)
という待遇的な要素だけでなく、
- なぜその仕事をやるべきのか?(意味)
- 誰と働くのか?(共感・仲間意識)
- その企業が目指しているものは何か?(存在価値)
といった「パーパス視点」を重視して、就職先を選んでいるのです。
優秀な働き手の価値観の変化
パーパスを採用に活かすことができれば、その企業は求職者に対して、次のように問いかけることができます。
- 「私たちは、競合企業と違い、このような社会を目指している」
- 「あなたの仕事は、その社会の実現に、こう関わる」
- 「私たちと一緒に、その社会を創らないか?」
一方、条件だけを訴求する企業の場合、求職者に伝えられるのは「待遇」に限られ、大手や同業他社と待遇の向上を競う「待遇向上インフレ」に苦しむことになります。
待遇だけではすぐに同質化してしまうこの時代、企業側が“選ばれる理由”を明確に示せなければ、採用のスタートラインにすら立てないのです。
企業の存在価値を言語化し、l共感・共鳴される形で伝われば、応募者は単なる「待遇」だけでなく、「価値観」や「誇り」に共鳴して集まってきます。
今、求められているのは、役割や条件に加えて、 “人生の一部を費やすに足る理由”なのです。
私たちASAKOの独自研究にうよると、パーパスブランディングは、以下のような成果を生み出しています。
採用効果-採用満足度
❷ 従業員エンゲージメントの向上:パーパスによる「働く意味」の再定義
採用が難しくなる一方で、採用できた人材が長く定着せず、思うように育たないという課題も、今や多くの企業が直面している現実です。
どれだけ時間やコストをかけて採用しても、入社後すぐに辞めてしまえば、すべてが水泡に帰してしまいます。
そんな“早期離職リスク”が当たり前のように語られるようになったのは、「組織の魅力」が“働く意味”として従業員に伝わらなくなっているからです。
今、組織に求められているのは、給与や待遇だけでは満たしきれない「仕事の誇り」を実感することです。その鍵を握るのが、パーパスの社内浸透――すなわちインナーブランディングです。
❸ 働く「誇り」とモチベーションの向上:社会的つながりの可視化
企業が明確なパーパスを掲げ、従業員と共有することで、従業員は「自分の仕事が社会とどうつながっているか?」が理解できるようになります。
その結果、単なる作業だった業務が、“より良い社会を実現するための仕事”として再解釈され、働く誇りが生まれてくるのです。
つまり、パーパスは「働く意味の再発見」をもたらし、組織全体の推進力を高める重要な要素になるのです。事実、ASAKOの独自研究の結果でも、以下のような成果が示されています。
従業員規模別|従業員エンゲージメント
❹ 離職率の低下と組織への定着促進
従業員のエンゲージメントの向上は、離職率の低下にも直結します。仕事に誇りを持ち、自分の存在が社会や組織に貢献していると実感できる職場では、「辞める理由」が見つかりにくくなるからです。
❺ 組織カルチャーの連帯感と心理的安全性の醸成
さらに、パーパスに共鳴した人材が集まり、共通の価値観でつながったチームができあがると、そこには心理的安全性や連帯感が生まれます。
このようなチーム環境は、従業員一人ひとりの行動の質や創造性、協働力にも好影響を及ぼし、組織全体の“カルチャーの一体感”を生み出すのです。
❻ 人材育成の促進:「判断の物差し」としてのパーパスの役割
さらに重要なのは、パーパスがカルチャーとして組織に定着すると、人材育成が加速するという点です。
パーパスが浸透していない職場では、新人に対して「スキル」や「手順」は教えられても、「考え方」や「カルチャー」を揃えることが難しくなります。
一方、パーパスが浸透している組織では、「何のためにその業務を行うのか?」「どこに向かっていくのか?」という“判断の物差し”がチーム全体で共有されています。
その結果、たとえ個々人のスキルにばらつきがあっても、一貫した目的意識に基づく育成が可能になるのです。
かつてのマネジメントは、制度やルールといった「仕組み」によって人を動かすものでした。しかし今は、「共感」や「共鳴」といった感情の軸で人が動く時代へと変化しています。
- パーパスは、組織に“誇り”というエネルギーを与え、
- 従業員エンゲージメントを高め、
- 離職を防ぎ、
- チームにカルチャーをつくり、
- 人と組織の可能性を引き出します。
パーパスは、組織を動かす“見えない無形資産”であり、まさに持続的な競争力の源泉そのものです。
❼ マーケティング効果の向上:機能性から「意味レベルの選択」へ
現在、マーケティングの現場では「売れる仕組み」が根本から変わり始めています。かつては “機能性”や“低価格”が購買行動を大きく左右していました。
- 商品のスペック
- 他社より安い価格設定
- 販促キャンペーン
しかし現代の消費者は、より本質的な価値観をもとに商品やサービスを選ぶようになっています。
- 「このブランドを選ぶことで、どんな感情が満たされるのか?」
- 「このブランドを選ぶことで、どんな“理想の自分”に近づけるのか?」
- 「このブランドを選ぶことは、社会にとってプラスになるのか?」
このような「意味レベルでの選択」が、マーケティング活動の在り方そのものに変革を迫っているのです。
こうした変化の中で、マーケティング領域でもパーパスがもたらす感情移入の力に注目が集まっています。
企業が明確なパーパスを掲げ、「私たちは何のためにこの事業を行っているのか?」という存在価値を言語化できていれば、そのブランドには「共鳴される理由」「感情移入できるストーリー」が宿り、ファン化が促進されていきます。
パーパスブランディングとは、単に商品スペックや広告露出に留まらず、
- ブランドが語る“ストーリー”に共鳴できるか?
- その体験を“自分ごと”として感じられるか?
という「共鳴の連鎖づくり」に他なりません。
パーパスブランディングとは、まさにこの“共鳴の連鎖”を企業活動全体に広げていく取り組みであり、マーケティング領域においても強力な武器になるのです。
感情移入のマーケティング効果
❽ 競争優位性の確立と持続的成長:経営指標を向上させる理由
パーパスは、採用・従業員エンゲージメント・マーケティングにとどまらず、企業経営そのものの指針として機能し、売上や利益といった経営指標の向上にも寄与することが明らかになっています。
経営が複雑になればなるほど、現場と経営の間で方向性のズレが生じやすくなり、意思決定も階層ごとに属人的になりがちです。
そのような状況において、明確なパーパスが存在すれば、あらゆる意思決定を「私たちは何のために存在しているのか?」という軸に照らして行うことができます。
その結果、社内の方向性が揃い、組織全体のベクトルが一致していくのです。
ではなぜ、パーパスブランディングが業績向上につながるのでしょうか?その理由は、パーパスが組織全体に「全体最適の意思決定の基準」を与えるからです。
各部門やプロジェクトごとの「部分最適」を優先しすぎると、企業全体としての方向性にズレが生じ、リソースの分散や不要な摩擦を引き起こすことがあります。
しかし明確なパーパスがあれば、あらゆる判断が「この意思決定はパーパスに合致しているか?」という視点で統一され、組織全体が一つの方向に向かって動けるようになります。
さらに、パーパスが社内に深く浸透している企業では、従業員一人ひとりが「自分の仕事がどのように社会に貢献しているのか」を実感しながら働けるようになります。その結果、次のような効果が期待できます。
- 意思決定のスピード向上
- 部門間の連携強化
- 人的資源の投入先の明確化
- イノベーションの創出促進
このような状態が組織全体に持続すれば、経営効率の向上や収益性の強化へとつながるのは、ごく自然な流れです。
パーパスと経営業績との関係
ここまで見てきたように、パーパスブランディングとは、
- 経営の方向性を揃え
- 採用の競争力を高め
- 従業員の行動を変え
- 顧客の共鳴を生み
- 売上・利益を高める
という、企業の事業成長を加速させる“経営戦略そのもの”です。
変化の激しいVUCAの時代において、あらゆる意思決定を支える「確かな軸」として、パーパスブランディングは最も信頼できる“戦略資産”となっていくのです。
パーパスブランディングを構成する7つの要素:戦略構築のフレームワーク
パーパスブランディング経営層から現場までが一体となり、「自社が社会に存在する意味」を明確化・再解釈し、それを組織全体で共有・実践できる状態をつくります。
パーパスを軸としたブランド戦略を構築するために、以下の7つの要素を体系的に検討します。
❶ ターゲットペルソナ:最も重要な顧客像と価値観の明確化
最も重要な顧客像と、その価値観を明確化します。
- 最も重要な顧客像と、その価値観を明確化。
- 「どのような顧客の成功を実現したいか?」を定義。
❷ ブランド提供価値:機能的・感情的・自己実現価値の定義
顧客に提供できる機能的価値と感情的価値、自己実現価値を定義します。
- 実利価値:実利がもたらす価値を定義
- 感情価値:満たすべき感情の価値を定義
- 自己実現価値:誰を、どう理想の状態に変えるのかを定義
※参考:ブランド価値とは?顧客の心をつかむ11種類の提供価値で売れるブランド戦略を解説
❸ ブランドパーパス:提供価値を通じて実現したい社会の理想像
提供価値を通じて実現したい社会の理想像を描きます。
- ブランド提供価値が広がった先にある、将来の社会の姿
- その企業の存在価値・目的
❹ ブランドパーソナリティ:ブランドの価値観と個性の言語化
ブランドが社会と共有すべき価値観や個性を言語化します。
※参考:ブランドパーソナリティとは?記憶に残り差別化・ファン化を促す効果
❺ ブランドポジショニング:市場における独自の役割と立ち位置
市場における独自の役割や立ち位置を明確にします。
※参考:ポジショニング戦略とは?マーケティングで「比較されずに選ばれる」ブランドになる方法を徹底解説
❻ ブランドACT:人・組織文化・事業での体現施策
人・組織文化・事業・広報など、ブランドを体現する施策をアップデートします。
❼ ブランドシンボル:スローガン・ステートメントによる象徴化
ブランドのスローガンやステートメントを策定し、象徴として定着させます。
- スローガンやステートメントで言語化
- 「胸を打つ」「心が震える」ストーリー化
ASAKO Brand PRISM©
パーパスブランディングの進め方|実践のための8つのステップ
パーパスブランディングは、パーパスを起点に自社の「誇り」を再発見し、戦略に落とし込み、8つのステップで体系化しています。
感情と行動の両面から採用体験をデザインし、求職者から“指名で選ばれる企業”へと変えていきます。
ステップ1. 準備|目的・認識・方向性の共有
プロジェクトのゴールや背景を明確にし、経営層・関係部門間で目的と進め方の認識を揃えます。
ステップ2. 現状診断|ブランドの強み・課題の把握
社内外の声やデータを収集・分析し、ブランドの強み、課題、機会を整理します。
ステップ3. 外部環境分析|市場・競合・社会動向の整理
PEST・3C分析などを用いて、市場環境や競合の動き、社会的潮流を俯瞰します。
※参考:PEST分析のやり方と事例|企業戦略・ブランド戦略に強い外部環境調査法【実践ステップ/FAQ付】
ステップ4. Brand PRISM策定|パーパスとブランド戦略の共創
7つの検討領域を用いて、自社が社会に存在する価値(パーパス)とブランド戦略を共創します。
ステップ5. ステートメントデザイン|共通言語としてのメッセージ化
策定したパーパスを、社内外で共通理解できるスローガンやメッセージに言語化します。
ステップ6. 浸透ロードマップ策定|全社展開の計画設計
インナー・アウター双方の浸透施策を時系列で設計し、実行計画に落とし込みます。
ステップ7. インナー浸透|パーパスを体現する文化の定着
研修やワークショップ、社内施策を通じて、従業員が自らパーパスを体現する状態を育みます。
ステップ8. アウター浸透|市場への発信とブランド評価向上
広告・広報・プロモーションを通じて市場にメッセージを届け、ブランドの評価を高めます。
パーパスブランディングの実施タイミング
パーパスブランディングは「やらなければならない課題」として突然立ち上がることもあれば、「次の成長に向けての仕掛け」として戦略的に取り組まれることもあります。
では、実際にどのようなタイミングがきっかけになるのでしょうか。代表的なケースをご紹介します。
❶ 採用難・離職増加による人材戦略の見直し
人材獲得競争が激化するなかで、「給与や待遇だけで人材を惹きつけようとしても、限界がある」という状況は多くの企業で顕在化しています。
また、採用しても早期離職が相次ぐ場合、「なぜこの会社で働くのか」という意味づけを再設計する必要性からパーパスブランディングに踏み出すケースがあります。
❷ 新社長就任など経営トップの交代時
経営トップの交代は、企業の方向性を示す絶好の機会です。新社長が打ち出す「新しい旗印」を社内外に浸透させる手段として、パーパスブランディングが活用されます。
❸ 経営統合・買収・スピンアウト時のブランド再定義
経営統合や買収は単なる規模拡大だけでなく、企業が社会に示す存在価値=パーパスを再定義する好機です。
社名やロゴ刷新を含めたブランド統合は、社員にとっては「働く意味」の再確認となり、顧客や株主にとっては「この統合がもたらす価値」を理解するシグナルとなります。
❹ 新中期経営計画策定の戦略転換点
事業ポートフォリオの見直しや投資戦略の転換点においては、単なる数値目標ではなく「なぜこの方向に進むのか」を社内外に説明する必要があります。
パーパスブランディングは、その戦略の一貫性を可視化する役割を担います。
❺ ESG・サステナビリティ対応の強化
社会的責任への対応は、もはや選択肢ではなく前提条件です。ESGに真剣に取り組む企業ほど、「社会と共鳴する姿勢」を明確に打ち出すためにパーパスブランディングを強化しています。
❻ 上場・IPO(新規株式公開)による企業価値の訴求
IPOの際には、投資家・顧客・従業員・地域社会など幅広いステークホルダーに「なぜこの企業が社会に必要なのか」を伝える必要があります。パーパスブランディングは、単なる資金調達を超えた企業価値の訴求につながります。
❼ 周年(アニバーサリー)事業を通じた存在意義の再共有
創立10周年・50周年といった節目は、過去を振り返りつつ未来を描くチャンスです。周年事業を単なる記念行事に終わらせず、ステークホルダーと「企業の存在意義を再共有する場」に変換することでブランドを強化できます。
❽ 社名変更・大規模なリブランディング時
社名変更やロゴ刷新は、企業の方向性を社会に強く印象づける契機です。しかし「見た目の刷新」で終わらせず、パーパスに基づいた再設計が伴ってこそ意味を持ちます。
❾ 事業変革や再生が必要な局面
既存事業の成長が鈍化したり、市場の変化に適応できずに苦戦する場面でも、パーパスブランディングが必要となります。
単なる事業再生計画ではなく、「この企業は何を目指して存在し続けるのか」を示すことが、ステークホルダーの信頼を取り戻す鍵となります。
このように、企業ブランディングに取り組むきっかけは、人材・経営・市場・社会のあらゆる節目に訪れます。重要なのは、そのタイミングを「危機」ではなく「存在価値を再定義する好機」と捉える視点です。
よくある質問(FAQ):パーパスブランディングに関する疑問を解消
Q1. パーパスブランディングと従来のブランド戦略は何が違う?
A1. パーパスブランディングは「社会的価値」と「感情移入」を軸に、企業目的と社会貢献の一致で長期的な支持と成長を目指します。
Q2. なぜエンゲージメント施策としてパーパスが重要なのか?
A2. 従業員は自分の仕事の社会的意義を実感することで誇りや共感が生まれ、離職防止や組織活性化に直接つながります。
Q3. どのような業界や企業がパーパスブランディングに向いている?
A3. 採用難や離職率上昇、組織カルチャー醸成に課題を抱えるあらゆる業態が有効活用でき、BtoB企業でも競争力向上に有効です。
まとめ|パーパスブランディングは持続的な競争力の源泉
採用難・離職率の上昇・エンゲージメント低下という三重苦は、少子高齢化による労働人口減少という構造的課題に根差しており、待遇改善や求人広告強化といった従来施策だけでは抜本的な解決は望めません。
今、企業に必要なのは、条件競争を超えて「この会社で働きたい」と指名される存在になることです。
その鍵となるのがパーパスブランディングです。
自社ならではの社会的存在価値(パーパス)を明確にし、感情移入を促す(ブランディング)ことで、採用・組織・マーケティング・経営のすべてに好循環をもたらします。
明確なパーパスは、社内外の人々に共鳴されるストーリーとなり、社員には誇りと働く意味を、顧客には共感と信頼を、経営には持続的な競争優位をもたらします。
変化が激しく将来予測が難しい今こそ、「何のために存在するのか」という企業の根源的な価値を言語化し、それを軸に戦略を組み立てる時です。パーパスブランディングは、そのための最も強力かつ実践的な武器となるのです。
【無料DL】パーパスブランディングを実務に落とし込むためのワークシート
採用難・離職率上昇・従業員エンゲージメント低下という三重苦。
多くの企業が直面しているこの課題に対し、短期的な施策だけでは解決は困難です。
今こそ必要なのは、自社ならではの「社会的存在価値(パーパス)」を明確にし、従業員・求職者・顧客から共鳴されるストーリーをつくること。
その第一歩を踏み出せるのが、この 「パーパスブランディング実践ワークシート」 です。今すぐ無料ダウンロードして、御社の“軸”をつくりましょう。