はじめに|なぜ今「3C分析」がマーケティング・ブランド戦略に必須なのか
いま、マーケティングやブランディングの現場では、「これまでのやり方が通用しない」という声がますます増えています。BtoB・BtoCを問わず、多くの企業が同じ課題に直面しています。
社会構造・価値観・テクノロジーの変化は目まぐるしく、かつて経験則で判断できていた領域が、今はそのままでは機能しません。
変化の激しい市場環境と「勘と経験」に頼ったマーケティングのリスク
顧客は数年前と同じ基準で商品を選んでいません。競合も、同業他社だけではなく、異業種・新興ブランド・新しいライフスタイルを生むサービスへと急速に広がっています。それでもなお、
- 「うちの顧客はこんな人のはず」
- 「競合は同カテゴリ内のあの会社だけ」
- 「自社の強みは昔からこれでしょ」
と、“なんとなくの勘” と“過去の前提” だけで戦ってしまう企業は少なくありません。
しかし、その姿勢は大きなリスクです。市場環境が変わり続ける以上、ブランドも「どこで戦い、何で選ばれるのか」を、マーケティング戦略の前提として常に捉え直す必要があるからです。
競争激化・価値観の多様化の中で、3C分析で自社ポジションを捉え直す必要性
今の市場では、以下のような変化が同時多発的に起きています。
- 顧客の価値観の多様化
- 比較軸が「スペック → 共感・世界観」へシフト
- 口コミ・SNS・アルゴリズムによる購買行動の再編
- 商品の差分がすぐに埋まる“コモディティ化”
- 異業種・新興ブランドとの競争拡大
こうした変化の中では、「自社の立ち位置(ポジショニング)」を固定化したまま戦い続けることはできません。ブランドが選ばれ続けるためには、
- 誰のために
- どんな提供価値で
- どの競合と戦いながら
- どんなポジションを築くのか
という“戦う構造そのもの”を、3C分析というフレームワークを使って定期的にアップデートする必要があります。
3C分析とは?Customer・Competitor・Companyから「選ばれる理由」を設計する思考法
この「立ち位置の再定義(ポジショニング設計)」を行うための、もっとも基本であり、もっとも強力なマーケティングフレームワークが 3C分析 です。3Cとは以下の3つを指します。
◎ Customer(市場・顧客)
市場の変化、顧客の価値観、潜在ニーズ、購買行動の構造を読み解く視点。マーケティングでいう「ターゲット・インサイト・ニーズ」を整理する土台になります。
◎ Competitor(競合)
直接競合だけでなく、顧客が代替する“価値競合・間接競合”まで含めて分析し、差別化ポイントを明確にする視点。
単なる「同業他社一覧」ではなく、「何と比較されているのか?」を可視化します。
◎ Company(自社)
自社にしか語れない強み・文化・独自性を言語化し、ブランド価値へ転換する視点。商品スペックだけでなく、カルチャー・人材・ストーリーなど、無形資産も含めて整理します。
「私たちは、どんな市場で、誰と戦い、なぜ選ばれるのか?」を言語化するための、マーケティング戦略・ブランド戦略の思考フレームです。
この記事では、よくある「3C分析=情報整理」で終わる状態を脱し、
- “誰に選ばれるのか?”(顧客理解)
- “誰と戦い、何で差別化するか?”(競合理解)
- “自社だけの価値とは何か?”(強みの再定義)
という3つの視点を、ブランド戦略に直結する形で整理します。
最終的には、3C分析 → 選ばれる理由 → ブランド戦略(ポジショニング・提供価値・メッセージ)という“一本の線”でつながる、実務に使える3C分析の方法を理解していただけるはずです。
3C分析とは何か|マーケティング戦略の羅針盤になる基本フレームと考え方
ブランドが選ばれる理由は、商品スペックや機能だけでは説明できません。
なぜなら、顧客は「自分にどんな価値をくれるブランドか?」を、競合との比較の中で判断しているからです。その“選ばれる構造”を整理し、勝てる土台(ポジショニング)をつくるために必須となるのが 3C分析 です。
ここでは、3C分析の基本定義と、マーケティング戦略・ブランド戦略における本質的役割を解説します。
3C分析の定義|Customer・Competitor・Companyで市場構造と立ち位置を捉え直す
では、3C分析とは何でしょうか?
それは、次の3つの視点から自社の立ち位置を構造的に理解し直す マーケティング分析フレームワーク です。
● 3C分析の意味と役割
3C分析は、
- 誰のために(Customer)
- 誰と(Competitor)
- 何として(Company)
戦うのかを明瞭にし、ブランドが「何を価値として届けるべきか」を整理するための基本フレームです。3Cの本質は、単なる“分類表”ではなく、市場で勝つための前提条件を言語化するプロセスにあります。
● 3つのCの基本定義
1. Customer(市場・顧客)|どんな生活者ニーズ・市場構造があるか
顧客の価値観の変化、購買行動、潜在ニーズ、市場トレンドを捉える視点です。
- 顧客は何に困っているのか?
- 何に共感し、何を求めているのか?
- これからどんな市場が生まれそうか?
顧客理解は、ブランドの方向性を決める“出発点”であり、3C分析の起点となるパートです。
2. Competitor(競合)|誰と競争し、何で差別化すべきか
競合には「直接競合」だけでなく、「間接競合」「価値競合」も含まれます。
- 顧客は、何と比較して判断しているのか?
- 自社の価値は、どんな代替手段に奪われうるのか?
- 競合が提供できない価値は何か?
競争相手を見誤ると、ブランドのポジションは簡単に埋もれてしまいます。競合分析の質=市場での生存率といっても過言ではありません。
3. Company(自社)|自社ならではの強み・ブランド資産は何か
自社には何ができ、何に強みがあり、何を約束できるのかを定義します。
- 商品やサービスの独自性
- 組織文化・哲学・価値観
- 他社には真似できない体験設計
- 顧客との信頼関係・歴史的背景
自社の強みは、単なるリストではなく、“顧客にとっての価値”へと翻訳することが重要です。ここでの整理が、ブランドコンセプトづくりやパーパス設計の土台になります。
3C分析
3C分析は「情報整理」ではなく「勝ち筋(ポジショニング)を導く思考フレーム」
3C分析は、ノートに情報を書き出すための作業ではありません。その本質は、“勝ち筋”を見つけるための思考ツールです。
● 3C分析=勝ち筋(選ばれる理由)を導くフレーム
3C分析を行う目的は「この市場で、私たちは何で選ばれるのか?」を明確にすることです。そのために、Customer・Competitor・Companyの3つを横断的に見比べながら、
- どんな価値を求める顧客に
- どんな競合と戦い
- どんな独自性を武器にするのか
という“勝ち筋=ポジショニング”を導き出していきます。3C分析のアウトプットは「きれいな表」ではなく、「明確なブランドコンセプト」であるべきです。
● 「どんな未来のために、どんな立ち位置で、どんな価値を届けるブランドか?」を言語化する土台
3C分析は、ブランド戦略の核となる以下の問いに答える作業です。
- どんな未来の市場に向けてブランドをつくるのか?
- その市場で、どんな立ち位置を築くべきか?
- 顧客のどんな価値観に対して、何を約束するブランドなのか?
これらが言語化されて初めて、
- ブランド提供価値(Value Proposition)
- ブランドストーリー
- メッセージ・世界観
- プロダクト・サービスの方向性
- マーケティング施策・コミュニケーション
が、一貫した“選ばれ続けるブランド戦略”として設計できるようになります。
なぜ3C分析がマーケティング戦略・ブランディングに不可欠なのか
3C分析は「初歩のフレームワーク」と扱われがちですが、実は 現代のマーケティング・ブランディングにおいて最も本質的な戦略思考です。なぜなら、ビジネスの「選ばれる構造」を、たった3つの視点で完全に説明できるからです。
ここでは、3C分析がなぜ不可欠なのかを、基礎から深く整理していきます。
3Cでビジネスの本質を言い換える|Customer・Competitor・Companyで見る「選ばれる構造」
ビジネスとは、究極的には次の3つの問いに答える営みです。
- Customer(市場・顧客)のニーズを捉え、
- Competitor(競合)より魅力的に応え、
- Company(自社)として利益を生み続けること。
これはそのまま、3Cの構造と完全に一致しています。つまり──ビジネスの構造そのものが「3C」で説明できるのです。
3C分析とは、単なるマーケティング手法ではありません。「選ばれる理由」をつくるための、もっとも基本かつ普遍的なフレームワークなのです。
PEST分析との違いと関係性|「変化を捉えるPEST」から「市場構造を捉える3C分析」へ
3C分析を正しく機能させるためには、「いま社会で何が起きているのか?」という前提理解が欠かせません。そこで重要なのが PEST分析 です。
● PEST分析のおさらい
PESTは、世の中の変化を4つの視点で読み解くフレームです。
- P(Politics):制度・規制、行政政策の変化
- E(Economy):景気、物価、購買力、雇用などの変化
- S(Society):価値観・ライフスタイル・文化・人口動態の変容
- T(Technology):テクノロジー・AI・デジタル化の進化
これらは、企業の努力では変えられない「環境変化の大潮流」です。
● PEST → 3Cの流れが戦略を強くする
PESTで“世の中の変化”を押さえた上で、次に捉えるべきは 「その変化が市場に何をもたらすか?」 という視点です。
- どんな新しい市場が生まれつつあるか?(Customer)
- そこで誰と競合し、何で差別化すべきか?(Competitor)
- その中で自社が発揮できる独自性は何か?(Company)
つまり──
- PESTで外部環境を捉え、3Cで市場構造と自社の立ち位置を定義する。
この順番を踏むことで、“時代に合った”ブランド戦略・マーケティング戦略がつくれるようになります。「PEST分析 × 3C分析の組み合わせ方」は、環境分析〜戦略立案の王道パターンです。
前提を「捉え直す」重要性|過去の成功体験に縛られない3C分析の視点
3C分析で最も重要なのは、“今までの前提を一度疑うこと” です。市場が変われば、顧客も、競合も、自社の強みさえも変わります。
3C分析の視点
● 顧客:スペックではなく「共鳴」で選ぶようになっていないか?
以前は「機能」「価格」「品質」が最重要でした。しかし今は、
- 自分らしさに合うか
- 価値観に共感できるか
- 社会的に“正しい存在”か
といった、“意味や共鳴”が選択理由の中心になりつつあります。
● 競合:同業他社だけでなく「同じ価値を提供する異業種」が台頭していないか?
現代は“代替可能性の時代”です。たとえば、
- コーヒーの競合は、同じコーヒー会社ではなく「眠気覚ましのガム」かもしれない。
- 文房具の競合は、ノートアプリやAIアシスタントかもしれない。
顧客の視点に立てば、“同じ価値を提供する存在”はすべて競合になります。これは、3C分析における「間接競合」「価値競合」の重要性を示しています。
● 自社:商品の強みではなく「カルチャーや人材」が価値の源泉になっていないか?
機能や品質で差がつきにくくなった今、
- 組織の姿勢
- 大切にしている価値
- 働く人のストーリー
- 顧客との関係性
といった“内側の資産”が強みになるケースが増えています。
● 3C分析=こうした前提のアップデートを促すフレーム
3C分析とは、「昔の前提」ではなく、「今の時代」における立ち位置を再定義する作業です。だからこそ、マーケティング・ブランディングの実務において、3C分析は欠かせない存在なのです。
C1:Customer(市場・顧客)分析|どんな社会課題・価値観に応える市場かを再定義する
3C分析の中で、もっとも重要であり、もっとも誤解されやすいのが Customer(市場・顧客)分析 です。
多くの企業は「既存顧客」を“顧客の全体”と捉えがちですが、変化の大きい今の時代においては、それだけでは片手落ちになります。
Customer分析とは、「今の顧客」だけでなく、「これから生まれる顧客」まで含めて市場を捉え直す作業 です。いわば、「顧客インサイト分析 × 市場機会の発見」を行うフェーズです。
「今の顧客」だけでなく「これからの顧客」まで見るCustomer分析の視点
まず押さえるべきは、3CにおけるCustomerとは、以下の3層すべてを指すということです。
● ① 現在の顧客(Existing Customers)
すでに自社商品・サービスを購入している顧客。データが最も取りやすく、理解しやすい層です。売上分析や顧客アンケートなど、既存のマーケティングデータで把握しやすい領域です。
● ② 潜在顧客(Potential Customers)
まだ購入はしていないものの、価値観・生活環境・ニーズが合致すればファンになり得る層。「少し興味はあるが、一歩踏み出していない層」とも言えます。
● ③ 社会構造の変化から生まれる新しい顧客層(Emerging Customers)
ここが最も重要で、最も見落とされやすいポイントです。
- ライフスタイルの変化
- 労働市場の変化
- テクノロジーの普及
- 多様性・価値観の変容
こうした“社会全体の変化”から、新しい顧客層が次々と生まれています。PEST分析で見た変化が、ここで「新しい顧客セグメント」として顕在化します。
● 「顧客=既存顧客」に閉じる危険性
多くの企業は、顧客理解を次のように狭めてしまいます。
- 過去の購買データ
- 既存客へのアンケート
- 現在の市場のボリューム
しかし、これだけを見ていては「未来の市場」に置いて行かれてしまいます。なぜなら、成長する市場は、常に“新しい顧客”から生まれるからです。
Customer分析とは、“今の顧客を深く理解する”だけでなく、“次の顧客を発見する”作業でもあるのです。「3C分析で未来の顧客インサイトを探る」意識が重要です。
PEST分析の結果をCustomer(顧客・市場)分析に活かす方法
Customer分析は、単体では完結しません。PEST分析で得た「社会の変化」を、具体的な市場の変化に翻訳する必要があります。
以下は、その典型的な連動パターンです。
● 高齢化・共働き化
→ ライフスタイルの変化、時間の使い方の変化
- “時短”ではなく“精神的な余裕”が価値になる
- 家事分担の変化によるホームカテゴリの再編
- 健康・安心への投資意欲の増加
● 副業・フリーランス増加
→ 働き方の変化、自己実現の価値観の変化
- 自己投資型消費の増加
- キャリアの「正解」が多様化
- コミュニティ(つながり)への重要度上昇
● テクノロジーの進化
→ 情報収集・購買行動の変化
- SNSによる比較検討の増加
- UGCで“他者の評価”が意思決定の中心に
- AIによる検索・レコメンドが購買導線を最適化
● 「今ある市場」+「これから生まれる市場」を見据えるための問い
Customer分析で使える問いを整理すると、以下のようになります。
- この変化は、どんな新しい顧客ニーズを生みそうか?
- これまで顧客ではなかった層が、顧客化する可能性はあるか?
- この変化に対して、既存顧客の価値観はどうアップデートされるか?
- 今後3〜5年で、顧客の「正しさの基準」はどう変わりそうか?
これらの問いを経ることで、“今の市場”だけでなく、“未来の市場”を前提にしたブランド戦略 を描けるようになります。
ここまで落とし込めると、「3C分析×PEST分析で市場機会を発見する」状態に近づきます。
顧客インサイトを3C分析から引き出すための3つの観点(Pain・Gain・意思決定)
Customer分析は、市場ボリュームや属性を調べるだけでは意味がありません。ブランド戦略に必要なのは、顧客の“内側”にある動機や情緒です。特に重要なのが、次の3つの視点です。
● ① Pain(不満・課題・恐れ)
顧客は、「現状のどんな部分にストレス・不満・不安を感じているのか?」
例:
- ものが多くて管理できない
- 健康や将来に漠然とした不安がある
- SNSの情報量が多すぎて選べない
- 時間がない/心の余裕がない
Painは、ブランドが提供すべき「解決価値」を決める核になります。
● ② Gain(欲求・理想・願望)
顧客は、「どんな理想や感情的ベネフィットを求めているのか?」
例:
- 自分らしく生きたい
- 心が動く体験をしたい
- 安心したい
- 成長を実感したい
Gainは、ブランドの「情緒価値」「自己実現価値」を設計する基盤です。3C分析のCustomerパートで、このGainをどれだけ言語化できるかがブランドの差を生みます。
● ③ 購買プロセス/意思決定のトリガー
顧客は何をきっかけに買うのか?なぜそれを選ぶのか?
- SNSの口コミ
- 他者の共感や推奨
- “ブランドが持つ世界観”への憧れ
- コミュニティとのつながり
このプロセスを理解しない限り、正しいコミュニケーション設計はできません。CX(顧客体験)の設計やコンテンツ戦略にも直結する観点です。
● Customer分析から導かれる問い
最終的にCustomer分析が導くべきは、次のような明確な定義です。
- どの顧客層の
- どんな価値観に
- どんな文脈で寄り添い
- どんな感情を動かすブランドなのか?
これこそが、ブランド戦略の“核”となる考え方です。この定義がそのまま「ターゲット定義+ブランドコンセプト」の種になります。
C2:Competitor(競合)分析|「誰と」ではなく「何を争点に戦うのか」を決める競合戦略
競合分析というと、多くの企業はつい「同業他社」ばかりを見てしまいます。しかし、生活者の視点では、比較対象はそれだけに留まりません。
ブランド戦略における競合分析とは、“誰と戦うか”ではなく、“何を争点に勝つのか”を決める作業です。
市場が成熟し、価値観が多様化した今の時代では、同じカテゴリにいる企業だけが競争相手ではありません。生活者の「価値選択」の幅が広がったことで、異なるカテゴリのブランドが競合として台頭するケースも増えています。
直接競合と間接競合の違い|生活者視点で3C分析に落とし込む競合の捉え方
競合分析の第一歩は、競合を正しく分類することです。、
● 直接競合(Direct Competitors)
同じカテゴリの中で、生活者が購入時に“迷う相手”です。
- 例:炭酸水ブランドA vs 炭酸水ブランドB
- 例:転職サービスA vs 転職サービスB
商品カテゴリが同じで、比較される可能性が高い企業・ブランドです。
● 間接競合(Indirect Competitors)
異なるカテゴリでも、<strong>“同じ価値”を提供するブランドすべてが間接競合です。
例:「リフレッシュしたい」という価値に対して
- 炭酸水
- エナジードリンク
- 無糖紅茶
- ガム
- カフェのコーヒー
など、実は多くの代替選択肢があります。
生活者が比較しているのは「炭酸水の中でどれが良いか?」ではなく、「今の自分が求める価値に一番合うものは何か?」という文脈なのです。
直接競合と間接競合の違い
● なぜ間接競合が重要なのか?
- 顧客はカテゴリではなく「価値」で選ぶ
- 異業種の参入が増えて「競争の境界」が消えている
- 生活者の購買体験は複雑化し、比較の範囲が広がっている
間接競合を見落とすと、“本当の競争相手”を見誤ります。ブランド戦略で勝つためには、「価値での競争」を前提にしなければなりません。
「3C分析で競合を洗い出す」ときは、必ず直接競合×間接競合の両方を見るのがポイントです。
生活者視点の「ブランド比較軸」を洗い出す|価格・安心・世界観という3つの層
競合分析で最も重要な問いは、「顧客は何を軸にブランドを比較しているのか?」です。比較軸は、次のように「機能」「安心」「情緒」の3層で整理できます。
● ① 機能的比較軸(Functional Axis)
- 価格
- 性能・機能
- 手軽さ・利便性
- 導入スピード
- 使いやすさ
特に成熟市場では、この軸だけでは差別化が難しくなっています。
● ② 信頼・合理性の軸(Rational Axis)
- 安心感
- 信頼性
- 実績
- 安定性
- 失敗しにくさ
購買プロセスにおいて、“不安を解消する理由”として重視される軸です。
● ③ 情緒・世界観の軸(Emotional Axis)
- ストーリー
- 世界観
- ブランド姿勢
- 価値観の一致(共感)
- そのブランドを選ぶことの「自己表現性」
近年、最も競争優位を生む軸がここです。「ブランディングで差別化する」というのは、この情緒軸を設計することでもあります。
生活者視点の「ブランド比較軸」
● 「どの比較軸では戦わないか」を決める重要性
戦略の本質は、「何をやるか」より「何をやらないか」です。比較軸の中で、“戦わない軸”を決めることで、
- 不要な競争から脱出できる
- 自社が勝てる争点に集中できる
- ブランドの独自性が浮かび上がる
というメリットが生まれます。
競合分析から差別化ポイントを抽出する|Only Oneなポジションを見つける3Cの使い方
競合分析の最終目的は、「自社が勝てる争点」を明確にすることです。次の3ステップで差別化ポイントを抽出します。
● ① 自社が勝てる争点/勝てない争点を整理する
- 機能では勝てるのか?
- 世界観や共感では勝てるのか?
- 体験価値では勝てるのか?
- 価格で勝負するべきなのか?(多くの場合すべきでない)
“勝てない争点では戦わない”ことが重要です。3C分析のCompetitorパートは、「戦わない場所」を決める工程でもあります。
● ② 商品だけでなく、体験価値(共感・文化・コミュニティ)で上回る
競争が激化した今、商品スペックだけでは差別化は困難です。むしろ、
- ブランドストーリー
- 発信する価値観
- 使うことで得られる感情
- ファンコミュニティ
- 文化や姿勢
といった 情緒的価値の層 が差別化の決め手になります。例えば、同じTシャツでも、“ブランドが掲げる価値観” に共感した瞬間、購入理由は変わります。
これが「ブランディングが競争力になる」理由です。
● ③ 3C分析から導く「Only One Point(自社ならではの独自性)」
最後に、
Customer(誰の?)
Competitor(何と比べて?)
Company(自社なら?)
の三者を統合し、“自社にしか語れない価値=Only One Point”を言語化します。Only One Pointとは、
- 商品そのものの独自性
- 組織文化や思想
- ブランドの姿勢
- 顧客との関係性
- つくり方・価値観・こだわり
といった“代替不能な価値”のことを指します。これを定義できて初めて、ブランドは選ばれる理由を持つと言えます。
C3:Company(自社)分析|自社だけの強みをブランドストーリーとして言語化する
3C分析の最後のパートであり、もっとも難易度が高いのが Company(自社)分析 です。
なぜなら、多くの企業は「商品」や「機能」の説明はできても、“自社の本質的な強み”を言語化することに慣れていない からです。
しかし、ブランド戦略において最も重要なのは、「自社だけが持っている価値」=代替不可能な理由 を明らかにすること。ここでの分析品質がブランドの未来を大きく左右します。
自社分析で見るべき3つのレイヤー|ハード・ソフト・ブランド資産
自社の強みは、1つではなく 3つのレイヤーで構造化する と本質が掴みやすくなります。
● ① ハードの強み(Hard Strength)
製品や設備など、目に見える物理的価値です。
- 技術力・開発力
- 製造設備・品質管理
- サプライチェーン・物流
- 販売網・チャネルの強さ
- 特許・独自ノウハウ
これは“誰が見ても分かりやすい強み”ですが、模倣されやすい領域でもあります。
● ② ソフトの強み(Soft Strength)
組織の「姿勢」や「人」の力など、表面化しにくいものの、強力な価値になりえます。
- 組織カルチャー
- 人材の専門性・柔軟性
- 意思決定の速さ
- 顧客との距離の近さ
- 変化に対応できる構造
成熟した市場では、ソフトの強みが差別化の源泉 になるケースが増えています。
● ③ ブランド資産(Brand Assets)
長期で蓄積される「信頼」「共感」「関係性」のことを指します。
- ブランド認知
- ブランドイメージ(信頼・共感・世界観)
- ファン・リピーター
- コミュニティ
- 創業からの歴史・哲学
- 社会課題への姿勢(パーパス)
ブランド戦略においては、このブランド資産がもっとも“模倣不可能”な領域です。
● レイヤーで整理するメリット
- 「強みが商品だけ」に偏るのを防げる
- 無形資産(カルチャー・信頼)を言語化できる
- ブランドが競争しやすいフィールドを選べる
3C分析のCompetitorパートは、「戦わない場所」を決める工程でもあります。
「やりたいこと」ではなく「実際に選ばれている理由」から強みを発見する自社分析
自社分析で最も陥りやすい失敗は、“自分たちがやりたいこと”を強みにしてしまうことです。
大切なのは、市場から実際に評価されているポイント=選ばれている理由を丁寧に抽出することです。
● 顧客の声から見える評価ポイント
- なぜ選ばれたのか
- 他社ではなく自社を選ぶ理由
- 購入前に抱いていた不安
- 購入後に感じた価値・満足
- 最も評価しているポイント
顧客インタビューは、「言語化されていない強み」を発掘する最短ルートです。
● 競合との比較で浮かび上がる“暗黙の強み”
競合と並べたときに、はじめて気づく強みがあります。
- 長く付き合える安心感
- サポートの丁寧さ
- 相談しやすい距離感
- 小回りの効く柔軟さ
- 誠実さ・透明性
これらは商品スペックには書かれない、しかし極めて強力な差別化になります。
● “弱みの裏返し”を強みに変える視点
自社の特徴は、“語り方”を変えるだけで強みに変わります。
例①:小規模企業
→ 意思決定が速く、顧客と近い
→ パートナーとしての“俊敏力”が武器になる
例②:ローカル企業
→ 地域との信頼・共創力がある
→ 地域コミュニティに根差した提供価値が語れる
例③:歴史が浅い
→ 業界の常識に縛られない柔軟性がある
→ 新しい視点で市場に挑戦できる
例④:手作業が多い
→ クラフトマンシップ=人の手でしかつくれない価値
→ 大量生産では得られない“誠実なモノづくり”が語れる
ブランド戦略とは、弱みと思っていた特性に“意味付け”を与える作業でもあります。3C分析のCompanyパートは、その「意味付けの入口」です。
自社の強みをブランドストーリーに変換する方法|事実に文脈と意味を与える
自社の強みがただの「箇条書き」で終わってしまうと、ブランドにはなりません。重要なのは、“どの文脈で”語るかです。
● 事実の列挙ではブランドにならない
例:
- 「30年の歴史があります」
- 「技術力があります」
- 「品質にこだわっています」
→ これだけでは、他社と差別化できません。
● 文脈を与えると、一気に“ブランドストーリー”になる
例:
- 「30年間、地域の小さな声に耳を傾けてきた企業だからこそ、今の私たちにしかできない未来への価値提供がある。」
例:
- 「効率化が進む世界で、あえて“人の手による工程”を残すのは、製品に宿る温度を守るため。」
事実に意味を与えることが、ブランドのストーリーです。
● 「自社にしか語れない物語」を見つける視点
- 創業者の想い
- 困難を乗り越えてきた歴史
- 顧客と共に進化してきた背景
- 社員が大切にしている文化
- これから向かう未来・パーパス
これらを掛け合わせることで、「Only Story(唯一の物語)」が生まれます。3C分析のCompanyパートを丁寧に行うことが、「ブランドストーリー設計」のショートカットになります。
3C分析のやり方・手順|Customer・Competitor・Companyを深掘りする実践プロセス
3C分析は、「Customer/Competitor/Companyの情報を集める→まとめる」という単純作業ではありません。重要なのは “事実 → 本質 → 戦略” の順で深掘りするプロセス設計 です。
ここでは、ASAKOがブランド戦略立案の現場で実践している“再現性ある3C分析ステップ”を紹介します。
ステップ1:情報収集(Facts)|3C分析に必要なCustomer・Competitor・Companyの集め方
まずは 解釈せずに「事実」を集めるフェーズ です。この段階での目的は、「漏れなく広く情報を集めること」です。
● Customer(市場・顧客)の情報ソース
顧客の実態・行動を捉えるためには、複数の角度からの情報が不可欠です。
- インタビュー(顧客の本音・感情・価値観)
- アンケート(数量データで傾向を可視化)
- 行動データ(購買ログ・アクセス解析・検索意図)
- SNS・口コミ(生活者が自発的に語る“価値の言語化”)
- 市場レポート(PESTの延長)
顧客の行動と言葉のギャップを見抜くために、定性 × 定量 の両輪で集めるのが基本です。
● Competitor(競合)の情報ソース
競合は「語っていること」と「実際に提供している価値」のギャップを観察することが重要です。
- Webサイト・ブランドサイト(メッセージ・世界観)
- IR資料(戦略の方向性・投資の重点領域)
- 口コミサイト(評価ポイント・不満ポイント)
- SNS分析(共感されている文脈)
- 店頭観察・売り場調査(価格・棚割り・UX)
- 採用ページ(カルチャー・人材戦略)
顧客がどこを評価しているのか、競合が何を強みとして語っているのかを“両面”から把握します。
● Company(自社)の情報ソース
“誤解しやすい自社像”を正しく捉えるために、複数レイヤーから情報を集めます。
- 社内ヒアリング(経営・現場・営業・採用の視点)
- 業績データ(売上・粗利・伸びている領域)
- プロジェクト振り返り(成功要因・失敗要因)
- 顧客アンケート・NPS(自社への評価軸)
- ブランド資産調査(認知率・好意・連想ワード)
自社が思っている“理想の強み”ではなく、実際に市場から評価されている強み を正確に把握することが目的です。
ステップ2:意味づけ(Insight)|3Cから共通する本質・インサイトを読み解く
事実を集めたら、次は “意味づけ” のステップ に進みます。ここが3C分析の成否を分ける最重要フェーズです。
3C分析で本質を捉えるには、「何が起きているか?」から「なぜ起きているのか?」へ深掘りする思考の飛躍が不可欠です。
例:
- 事実:炭酸飲料の売上が伸びている
- 本質:ストレス発散・気分転換ニーズの高まり
- 事実:高価格帯の食品が売れている
- 本質:“自分へのご褒美”という情緒ニーズ
- 事実:競合のSNSが盛り上がっている
- 本質:顧客が「共感」できる文脈を提供している
● 表層的な事実 → 価値観・構造の変化へ
ASAKOが重視するのは、「目に見える変化」の背後にある価値観・構造の変化」 を読み解くことです。
- 顧客はどんな価値観のもとで行動しているのか?
- 競合はどんな文脈で勝っているのか?
- 自社の強みはどんな“意味”として選ばれているのか?
ここで抽出されるインサイトが、後工程(戦略・メッセージ・体験設計)の“核”になります。「3C分析=インサイト抽出のプロセス」と捉えると、質が一段上がります。
ステップ3:3Cの関係性から勝ち筋を組み立てる|ポジショニングとSTPへのつなげ方
3C分析の最終目的は、Customer × Competitor × Company の交点=勝ち筋(選ばれる理由)を導くことです。
● ① Customer × Competitor
顧客は何を求め、競合はどこを押さえているのか?
→ 競合が満たしていない顧客価値(ギャップ)を探す
● ② Competitor × Company
競合が強い領域で、自社は戦えるのか?
→ 戦わない領域=No Battle Zone を明確にする
● ③ Company × Customer
自社の強みは、顧客の価値観とどう結びつくのか?
→ 強みの“意味付け”を行い、ブランド価値に変換する
そして最終的に導くべきは「誰に・何を・なぜ自社が提供するのか?」という ブランドコンセプト(核心の一文)です。
例:
「忙しい毎日を送る働く女性に、一日のリズムを取り戻す“整う時間”を提供する、唯一のウェルネス飲料ブランド。」
例:
「新しい挑戦に価値を置くミレニアル世代に、柔軟で誠実なものづくり文化を届ける、クラフト系ガジェットブランド。」
この一文が、広告・商品開発・採用・SNS…すべての起点 になります。
STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)とのつながり
3C分析は「環境を理解するフレーム」、STPは「環境の中で自社の位置を決めるフレーム」です。
- 3Cで“市場の構造”を理解する
- STPで“攻める市場”を決める
こうして初めて、一貫したマーケティング戦略・ブランド戦略が成立 します。「3C分析 → STP → 4P」は教科書的な流れですが、3Cの解像度を上げることで実務でも機能し始めます。
PEST分析×3C分析×ブランド戦略|外部環境から「選ばれる理由」までを一気通貫でつなぐ
ブランド戦略を成功させるうえで最も重要なのは、「外部環境の変化」から「選ばれる理由」までが一本の線でつながっていること です。
そのために必要なのが、PEST分析(マクロ) × 3C分析(ミクロ) × ブランド戦略(価値設計)という一連のプロセスです。
PEST分析:マクロ環境(時代・社会の変化)を捉える
PEST分析は、ブランドを取り巻く “世の中の大きな流れ” を捉えるためのフレームです。
- P(政治):制度・規制・行政方針の変化
- E(経済):景気・物価・購買力・雇用
- S(社会):価値観・文化・ライフスタイル
- T(技術):生成AI・デジタル化・新技術の普及
これらは 企業が変えられない前提条件 であり、ブランド戦略の「土台」を形づくる要因です。
3C分析:ミクロ環境(市場・競合・自社の構造)を整理する
PESTで外部環境の“大きなうねり”を掴んだら、次に必要なのが 市場の構造をミクロに捉え直す3C分析 です。
- Customer:どんな顧客価値が生まれ、どんな課題が顕在化しているのか
- Competitor:誰と競合し、何を争点に戦うべきなのか
- Company:自社だけの強み・ブランド資産は何か
3C分析は、PESTで見えた変化を「具体的に何をすべきか?」に変換する“接続フレーム”です。
PEST→3C→STP→4Pへつなげるブランド戦略フロー
PEST(マクロ) → 3C(ミクロ)の流れの先に、ブランドとして語るべき価値 が生まれます。
◎ ブランドパーパス(存在理由)
「この時代に、なぜ私たちは存在するのか?」
→ PESTと3Cの“交点”にある、ブランドの必然性。
◎ ブランド提供価値(Value Proposition)
- 機能価値(Functional)
…製品やサービスが“何をできるか” - 情緒価値(Emotional)
…顧客が“どんな感情になるか” - 自己実現価値(Self-Expression)
…そのブランドを選ぶことが“どんな自分でありたいか”につながるか
これらの価値は、Customer(顧客の願望) × Company(自社の強み) × PEST(社会の価値観)が重なる場所から生まれるものです。
◎ ブランド体験(CX)とコミュニケーション
提供価値を 顧客体験(CX) と メッセージ に翻訳します。
- どんなストーリーを語るか
- どんな表現・トーンで届けるか
- どんな体験(オンライン/オフライン)を設計するか
- コミュニティ化・ファン化をどう促すか
いわば、ブランド戦略の“アウトプットにあたる部分”です。PESTと3Cで設計した「前提」と「勝ち筋」を、ここで具体的な施策に落としていきます。
3C分析の活用例|マーケティング戦略・ブランディングの実務シーン別の使い方
3C分析は「戦略フレームの基礎」と思われがちですが、実は 日々のマーケティング・ブランディングの実務にこそ、もっとも効果を発揮するツール です。
ここでは、実際のビジネスシーンでどのように活用できるのかを、代表的な5つのケースに分けて解説します。
● 新規事業・新ブランド立ち上げ
新規事業ほど、“過去の前提が使えない”領域はありません。そこで役立つのが3C分析です。
- Customer:どんな未充足ニーズがあるか?
- Competitor:誰がすでに参入していて、どんなポジションが空いているか?
- Company:自社は何を強みに参入できるか?
新規事業の「勝てる理由」「存在意義」が、3Cの交点から明確になります。
● 既存ブランドの再構築・リブランディング
市場が変わると、ブランドの“前提”が古くなります。そのズレを発見するのに3Cは最適です。
- 顧客価値がどう変化しているか?(Customer)
- 競合の打ち手がどう変わったか?(Competitor)
- 自社の強みはどこに移っているか?(Company)
この3つの“再定義”が、再成長のきっかけになります。
● 商品・サービスラインナップの見直し
「何を残し、何を拡張し、何をやめるべきか?」この判断基準は、3Cから導くことができます。
- 今の顧客が求めていない商品はどれか
- 競合と差別化できる領域はどれか
- 自社が最も価値を発揮できる領域はどれか
3C分析によって、ラインナップの“勝ち筋”が明確になります。
● 価格・チャネル戦略変更の検討
価格・チャネルは「単純なビジネス判断」ではなく、顧客価値 × 競争構造 × 自社の強み のバランスで決まります。
- 安さ、速さだけが比較軸ではない顧客が増えている
- 競合は新しいチャネルに動き出している
- 自社はどこで強みを出せるのか?
この整理によって、“値下げしない戦略” や “勝ちやすいチャネル選択” が見えてきます。
● 採用ブランディング・コーポレートブランディングへの応用
採用市場でも3Cは活用できます。
- 若手人材の価値観(Customer)
- 同業他社/異業種の採用競争(Competitor)
- 自社カルチャー・組織の魅力(Company)
この3つから、“どんな人から選ばれるべき会社か”を言語化できます。コーポレートブランドの強化にも、同じ構造がそのまま使えます。
FAQ|3C分析とブランド戦略・マーケティングへの活用でよくある質問
3C分析はシンプルなフレームワークでありながら、実務で活用しようとすると多くの疑問が生まれます。ここでは、よく寄せられる質問に回答していきます。
Q1. 3C分析はどんな企業・どんなブランドに必要ですか?
A. すべての企業・すべてのブランドに必要です。
3C分析は、以下のような状況で特に力を発揮します。
- 新規事業・新ブランドの立ち上げ
- 既存ブランドのリブランディング
- 若年層・新市場への参入
- 価格戦略やラインナップの見直し
- 競争が激しくなり競合との差別化が曖昧になってきた
- 採用ブランディング・企業ブランディングの刷新
3C分析とは、「自社の立ち位置を正しく理解する」ための基本フレームです。業種・規模を問わず必ず役立ちます。
Q2. 3C分析はPEST分析とどう違い、どう組み合わせるべきですか?
A. 役割の違いは以下です。
- PEST分析:時代・社会の変化という マクロ環境 を読む
- 3C分析:市場構造・競合・自社という ミクロ環境 を捉える
つまり、
- PEST →「世の中で何が変わっている?」
- 3C →「その変化の中で、どう戦う?」
という流れになります。最も効果的な使い方は、
- PEST → 3C → STP → 4P(施策)
と一気通貫でつなげることです。
Q3. 競合分析は直接競合だけで十分ですか?
A. 不十分です。むしろ間接競合の方が重要になる場合が多いです。
生活者は、カテゴリではなく「価値」で比較 するため、異業種でも代替価値を持つブランドは競合になります。
例:
「リフレッシュしたい」という価値 →炭酸水/エナジードリンク/無糖紅茶/カフェ/ガム などが比較対象になる。
間接競合を把握しないと、「どの価値軸で戦うのか?」が見えません。
Q4. 自社分析がうまく進みません。何から始めるべきですか?
A. 自社が“実際に選ばれている理由”から逆算します。
この順番で見るとうまくいきます:
- 顧客から評価されているポイント(声・レビュー)
- 弱みの裏返しにある独自性(例:小規模=意思決定の速さ)
- 資産(ブランド認知・コミュニティ・文化)
ポイントは、「言いたい強み」ではなく「他者が認める強み」 を掘ること。
Q5. 3C分析を作っても戦略に落ちません。どうすれば良いですか?
A. “ポジショニングステートメント”をつくるところまで必ず進めます。
3C分析は「戦略の材料」にすぎません。最終的に必要なのは、
- 誰に(Who)
何を(What)
なぜ自社が(Why)
を一文で定義することです。これを作ると、ブランド全体が一気に繋がり、施策への翻訳(広告・商品・CX)が劇的に進みます。
【まとめ】3C分析×PEST分析で築く「未来に選ばれるマーケティング・市場戦略」
3C分析は、単なる“現状整理”のフレームワークではありません。本質は 「これから誰とどう戦い、どんな価値を届けるブランドになるのか」 を定義するための“戦略の羅針盤”です。
PEST分析で 時代・社会の変化(マクロ) を捉え、3C分析で 市場構造・競合構造・自社の立ち位置(ミクロ) を整理することで、ブランドは 外部環境 → 市場 → 競争 → 自社の強み を一本の線でつなぐことができます。
その結果、ブランドは、
- 変化に流される存在ではなく
- 変化を味方につける存在 へ
と進化していきます。時代の価値観、顧客の行動、競争構造、自社の強み――これらはすべて、半年〜1年単位で変わっていくのが今のマーケットです。だからこそ、
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
この3つの視点を継続的にアップデートし続けることこそが、“選ばれ続けるブランド”になるための必須条件です。
PEST × 3Cで「時代の前提 → 市場の構造 → ブランドの方向性」をつなぎ、未来に向けて成長できる戦略を描いていきましょう。
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今、社会はかつてないスピードで変化しています。
「働き方・暮らし方の多様化」「ジェンダー平等」「サステナビリティ意識の高まり」──こうした潮流は、ブランドや企業活動の前提そのものを揺さぶっています。
しかし、これらの変化を“感覚”で捉えているだけでは、戦略には落とし込めません。そこで活用いただきたいのが、「社会の価値観変化ワークシート」です。
本シートでは、61の社会トレンドを一覧化し、「影響度/パーパスとの関連/ブランド機会」まで整理できる実務直結型のフレームを提供しています。
- 61のトレンドを網羅し、自社にとって重要な変化を選別できる
- 戦略立案やブランド構築の前提として、環境変化の整理と可視化が可能
- 部署横断でのディスカッションを深める共通言語として活用できる