ウェルビーイング サステナビリティ 2023.08.18
「SDGs」「ウェルビーイング」はどのくらい知られているのか? サステナブル分野における20のキーワードの認知度と共感度 ~第2回ウェルビーイング調査より②~

目次
サステナブル分野における20のキーワードの調査について
20のキーワードの認知度
20のキーワードの共感度
まとめ

サステナブル分野における20のキーワードの調査について

ASAKO サステナラボ®では、生活者の幸福度や自己肯定感、また独自に開発した「60のウェルビーイング指標™」を用いた充足度の計測など、「ウェルビーイング調査」として年1回の調査を行っています。
この調査では、さらにサステナブル分野における20のキーワードを取り上げて認知度・共感度を定点観測しています。
今回の記事では、20のキーワードの認知度・共感度の結果についてご紹介していきたいと思います。
※20のキーワードについて:サステナブル分野で取り上げられることの多い言葉を、ASAKO サステナラボ®で独自に選定。SDGs、カーボンニュートラル、ダイバーシティ、地方創生、スマートシティ、マイクロプラスチック問題、ワーケーション、サステナブルフード、サステナブルツーリズム、心理的安全性、エシカル消費、ソーシャル・キャピタル、フレイル予防、パーパス、ウェルビーイング、ジェンダード・イノベーション、サードプレイス、フェムテック、エイジンググレイスフリー、フェーズフリー

20のキーワードの認知度

図表1)サステナブル分野における20のキーワードの認知度(2021年と2022年の比較 n=2,000)

※今回(2022年)の調査対象者(20代~80代の男女、n=2,800)と、前回(2021年)の調査対象者(20代~60代の男女、n=2,000)が異なっているため、このグラフでは今回調査の対象者条件を前回調査にそろえて分析しています。
※前回調査では14のキーワードについて聴取、今回調査では20のキーワードについて聴取しており、前回の調査で聴取していないキーワードについては、今回の調査結果のみ表示しています。

図表1は、サステナブル分野における20のキーワードの認知度を前回調査結果と比較したデータです。
今回調査では認知度が高い順に、「SDGs」が89.5%、「カーボンニュートラル」80.7%、「ダイバーシティ」「地方創生」各75.2%となりました。
認知度の変化を見ていくと、「SDGs」「カーボンニュートラル」「スマートシティ」「エシカル消費」「フェムテック」については、前回調査よりそれぞれ5ポイント以上上昇しています。
なお、調査タイトルにもなっている「ウェルビーイング」ですが、25.6%と前回調査よりやや上昇しているものの、まだまだ認知度は低い状況と言えます。

図表2)サステナブル分野における20のキーワードの認知度(2022年、性年代別 n=2,800)

※データは20代~80代の男女、n=2,800で分析したものです。図表1に記載した2022年全体結果(20代~60代の男女、n=2,000)と数値が異なりますのでご了承ください。

図表2は、今回調査の認知度を性年代別に分析したものです。
「SDGs」は女性80代以外の全ての性年代で80%以上となり、ほぼ全ての性年代で浸透していることが分かります。
それ以外の言葉の認知度は、全体的に男性のほうが高めの傾向となっています。
特に認知度の上位に上がっている「カーボンニュートラル」「地方創生」「ダイバーシティ」「マイクロプラスチック問題」「スマートシティ」「ワーケーション」は、男性50代~80代の認知度が高くなりました。年代の高い男性は、普段からビジネスなどでこれらの言葉に接する機会が多いことが推察され、結果として認知度の高さにつながっているのかもしれません。

一方で、男性20代では興味深い傾向が見られました。
「心理的安全性」「エシカル消費」「パーパス」「ウェルビーイング」「サードプレイス」「フェムテック」の認知度が他の性年代と比較して明らかに高くなっています。ビジネスそのものというよりは、働き方や生き方の姿勢に結び付くような、これらの言葉に対する関心の高さがうかがえます。

続いて、女性に注目してみます。
女性高年代層で認知度が高かったのは「フレイル予防」で、女性50代~80代と男性80代でも高くなっています。これは、健康と要介護の間の虚弱な状態である「フレイル」について、まさに自身の健康問題として関心が高いものと推察されます。
一方の若年から60代にかけては、「エシカル消費」と「フェムテック」の認知度がやや高いという結果になりました。

20のキーワードの共感度

図表3)サステナブル分野における20のキーワードの共感度(2022年、性年代別 n=2,800)

※並び順は、認知度と比較しやすいように、共感度順ではなく認知度順に並べています。

図表3は、図表2と同じ20のキーワードについて、各キーワードの説明文を読んでいただいた後に共感できるかを聞いた結果です。
全体で共感度が高かった順に、「マイクロプラスチック問題」62.3%、「地方創生」60.1%、「SDGs」59.5%、「カーボンニュートラル」55.9%となりました。
認知度としては中位から下位の「心理的安全性」や「フレイル予防」、「ウェルビーイング」も共感度では50%を超える結果となっています。

データを俯瞰して見ると、認知度とは結果が男女で逆転しています。
認知度は全体として男性のほうが高いキーワードが多かったのですが、共感度になると全体として女性のほうが高い傾向です(男性80代、女性80代を除く)。
特に、「SDGs」や「ダイバーシティ」「エシカル消費」は80代を除くほぼ全ての年代の女性で共感度が高くなっています。
一方の男性は、20代~50代で共感度の低いキーワードが目立ちます。男性に対しては、言葉そのものの認知を図るだけでなく、その内容についても丁寧に理解を求めていくことが必要だと思われます。

まとめ

今回ご紹介した20のキーワードは、ここ数年の間によく聞かれるようになった言葉も含まれています。
今回の結果を見ると「SDGs」については、「認知」のフェーズから、内容や取り組みを「理解」してもらうことが必要なフェーズに入ったと言えるのではないでしょうか。
その他のキーワードについては、それぞれの性年代で自身の仕事や生活に身近な言葉の認知度が高いという傾向が出ています。
一方で共感度については、男性80代を除いて全体として男性の共感度が低いという結果となり、男性の「サステナブル領域での自分事化」が今後の課題と言えるかもしれません。

ここではあえて各キーワードの説明は省略させていただきました。皆さまが初めて聞く言葉はあったでしょうか。
よろしければ、気になった言葉の意味や、その言葉がよく使われている分野などについても調べてみると面白い発見があるかもしれません。

「第2回ウェルビーイング調査」結果のダイジェスト版については、朝日広告社コーポレートサイト内「ASAKOが解決できること」から無償でダウンロードしていただけます。
「ASAKOが解決できること」https://www.asakonet.co.jp/download
※当記事で取り上げたデータの一部については、ダウンロード資料には含まれておりません。あらかじめご了承ください。
その他、さまざまな調査やソリューションの提供を行っております。どのようなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

調査結果について

【ASAKO「第 2 回ウェルビーイング調査」概要】

  1. 調査目的:
    ①サステナブル分野における 20 のキーワードの認知・共感
    ②生活者の幸福度および、日常生活の様々な領域での充足度
    について定量的(一部定性的)に把握するため
  2. 調査名:
    ウェルビーイングについての調査
  3. 調査手法:
    インターネット調査
  4. 対象者:
    20~80 代の男女、全国(性年代での均等割付)
  5. サンプルサイズ:
    2,800
  6. 調査実施日:
    2022 年 11 月 21 日~2022 年 11 月 24 日
  7. 調査主体:
    ASAKOサステナラボ®

  1. 所属等は執筆当時のもので、現在とは異なる場合があります。
  2. また記事中の技術、手法等については、今後の技術の進展、外部環境の変化等によっては、実情と合致しない場合があります。
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