ブランド戦略・パーパス・サステナビリティ

2025.09.16

ブランド価値を高める!11の視点で整理する顧客に響く価値設計と戦略立案ワークシート

本記事の要約

ブランドの強さは、「何を売るか」ではなく「顧客にどんな価値を提供しているか」で決まります。本記事では、提供価値を可視化する11の視点と、実務に活用できる無料ワークシートを紹介。価値の言語化が、ブランド戦略の第一歩となります。
「御社の商品やサービスは、顧客にどんな価値を届けているのでしょうか?」
この問いに、すぐに答えられる企業は意外と多くありません。「高品質な商品です」「使いやすいサービスです」──もちろん、それも立派な価値のひとつです。ただし、顧客がブランドを選ぶ理由は、それだけではありません。商品やサービスが世の中にあふれる今、本当に選ばれるブランドには共通点があります。それは、「顧客にとっての魅力的な価値」を明確にし、それを一貫して届けていることです。言い換えれば、「何を売るか」ではなく、「どんな喜びや満足を提供しているか」が、ブランドの評価を左右する時代になったのです。しかし、自社の提供価値を正しく言語化し、社内で共有し、戦略に落とし込むのは決して簡単ではありません。
そこで本記事では、顧客の心をつかむ“11の提供価値の視点”をもとに、自社のブランド価値を見つめ直すヒントをお届けします。さらに、実務でそのまま使える「ブランド提供価値設計ワークシート」も無料でダウンロードいただけます。まずは、ご自身のブランドが本当に届けている価値を整理しましょう。

目次

 

ブランド提供価値設計とは

「ブランド提供価値」とは、ブランドが顧客に届ける”喜び”や“嬉しさ”です。

 

わかりやすく言えば、「このブランドを選んでよかった」と感じる理由を、顧客の視点から具体化したもの。それがブランド提供価値です。

 

多くの企業は、商品のスペックや機能といった“目に見える特徴”を伝えることに力を入れがちです。もちろん、それも大切な要素のひとつでしょう。

 

しかし、実際に人の心を動かし、長く選ばれ続けるブランドには、もう一歩踏み込んだ工夫があります。

 

それは、「機能」ではなく、「意味」や「物語」を届けていることです。

 

たとえば、同じ保湿クリームでも──

 

「肌にうるおいを与える」だけでなく、

「忙しい朝も自分を丁寧に扱う時間が持てる」ことや、

「日々のケアを通じて、自分を大切にできる」こと。

 

こうした“感情的な満足”まで設計されているブランドは、使う人の心に深く残ります。

 

大切なのは、企業が伝えたいUSP(Unique Selling Proposition)ではなく、顧客が受け取りたい「価値」を描くことです。

 

ブランド側の「主語」を、顧客側に置き換えることができれば、ブランドの伝え方も、届け方も、大きく変わります。

 

提供価値の再発見は、ブランドの再構築にもつながる第一歩なのです。

11の視点で見るブランド価値

では実際に、ブランドが届けうる価値とは、どのような種類があるのでしょうか?

 

私たちASAKOでは、これまで数多くのブランディング支援を行う中で、顧客がブランドに魅力を感じる「価値のパターン」には明確な傾向があることを発見しました。

 

その知見をもとに開発したのが、4つの領域×11の価値で構成された「ブランド提供価値フレーム」です。

 

このフレームを活用することで、「自社は何を届けているのか?」「顧客は何に喜びを感じているのか?」という問いに、より具体的な言葉で答えられるようになります。

 

 

1.実利的価値|日常に役立つ“機能的な喜び”

品質価値:信頼感・安心感につながる土台

性能価値:期待を上回るスペックが生む感動

使いやすさ価値:すっと馴染み、習慣になる心地よさ

用途価値:生活のあらゆる場面に広がる汎用性

 

 

2.感性価値|直感で惹かれる“フィーリングの喜び”

デザイン価値:見た瞬間に心をつかむ美しさ

パーソナリティ価値:ブランドの“人柄”に共感する楽しさ

 

 

3.感情価値|使って感じる“体験の喜び”

実感価値:五感に残るリアルな手ごたえ

体験価値:モノではなく、記憶に残る“物語”を届ける

 

 

4.価値観価値|人生に寄り添う“生き方の喜び”

自己表現価値:ブランドを通じて「自分らしさ」を語れる

自己実現価値:理想の自分に近づける“成長の伴走者”

社会実現価値:よりよい社会づくりに参加する誇らしさ

 

 

これらの11分類は、単なる分類ではありません。

 

戦略立案・商品開発・広告コピー・営業資料──あらゆるブランド活動に共通の「価値の軸」をつくるためのフレームです。

 

チームの中で価値の共通言語が生まれれば、顧客に届くブランド体験も、より一貫性と深みのあるものになります。

 

このあとご紹介する「ブランド提供価値設計ワークシート」では、これら11の価値を明確にできる構成になっています。

 

ぜひ、自社のブランドがどの価値を起点に成長していけるのか、一度立ち止まって見つめてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ブランド提供価値とは何ですか?

A1. ブランド提供価値とは、顧客がブランドを選ぶ理由となる「喜び」や「意味」を具体的にしたものです。機能だけでなく感情や価値観に訴える要素を含みます。

 

Q2. ブランド価値設計で重要なポイントは?

A2. 具体的な顧客視点の価値11分類を使い、言葉にして社内で共通認識を持つことが重要です。戦略や商品企画、コミュニケーションに一貫性が生まれます。

 

Q3. 無料の価値設計ワークシートはどのように使えますか?

A3. 4つの価値領域×11項目のフレームで、自社の強みや顧客の感情価値を整理し、ブランド戦略に活かす実務活用が可能です。

 

ブランド提供価値設計
ワークシートをダウンロード

PROFILE 著名者プロフィール

羽田 康祐 はだ こうすけ

  • ストラテジックプランニングディレクター
著者について詳しく見る
ASAKO BRANDING ACADEMY

メルマガ登録 Mail magazine

朝日広告社が持つ販促・ブランド・DX…
幅広い分野のソリューションを事例とともにご紹介

まずはメルマガ登録から

RELATED ARTICLES 関連記事

POPULAR ARTICLES 人気記事

PAGE TOP